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ルメールがフェブラリーS覇者・カフェファラオを「カネヒキリにも負けていない」と語るワケ
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byPhotostud
posted2021/02/26 17:00
先週末のフェブラリーステークスを制したカフェファラオとルメール騎手
カフェファラオに先着を許し続けたルメール
まだ4歳のカフェファラオはこれがキャリア7戦目。リーディングジョッキーが騎乗するようになったのは最近の3走で、それ以前はライバルとして対戦してきた。その4戦全てで同じレースに騎乗していたルメール騎手だが、うち最初の3戦は勝ち馬がカフェファラオ。同馬にとっては4戦目で初めて土がついたのがジャパンダートダービー(7着)だが、ルメール騎手の騎乗馬バーナードループは8着で、またしても先着を許して終わっていた。
「新馬戦で対戦した時からよく覚えています。走り方が凄くて、スピードがあり、強い馬だと思いました。4コーナー手前ではすぐ近くにいたけど、その段階で手応えからして相当に強い馬だと思いました」
更にカフェファラオにとって初の重賞勝ちとなったユニコーンS(GIII)の時の事もよく覚えていた。
「僕は逃げる競馬をしたけど、終始外を回っていたカフェファラオに楽にかわされました。東京であの勝ち方が出来るのはポテンシャルが高くなくては出来ない芸当です」
オーヴェルニュと馬体が接する場面では
その後は先述したようにジャパンダートダービーで7着。しかし、その次にルメール騎手とコンビを組むようになるとシリウスS(GIII)を優勝。チャンピオンズCこそ先に記したように「本来のコンディションでなく」(ルメール騎手)6着だったが、自信を持って臨めたという今回のレースぶりを述懐する。
「スタートの芝の部分もダミアン・レーンが乗った時(ユニコーンS)ではすいすい走れていたけど、年齢のせいで少しズルくなったのか今回は進もうとしませんでした。だけど、メンバー的な事を考えると絶対に好いポジションがほしかったので、押して出していきました。そうしたら良い反応で先行してくれました」
ダートへの切れ目で少し右へ飛びそうになるシーンがあったが「隣に馬を置いていたので問題ありませんでした」と言い、作戦を明かす。
「あまりインへは行きたくなかったけど、内側から楽に抜けられるとも思ったので、内だけど内過ぎないコースを走らせました」
向こう正面ではオーヴェルニュと馬体が接する場面があった。しかし、リーディングジョッキーは慌てなかった。笑みを浮かべながら思い返す。
「カフェファラオは大きい馬なのでバランスを崩す事はありませんでした。ただ、馬は少し怒ったので、なだめるのに忙しくなりました」
それでもコントロール出来なくなるような事はなく、好手応えで直線へ向いた。