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ルメールがフェブラリーS覇者・カフェファラオを「カネヒキリにも負けていない」と語るワケ
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byPhotostud
posted2021/02/26 17:00
先週末のフェブラリーステークスを制したカフェファラオとルメール騎手
エアスピネルが来たのは分かったけど
「鞭を入れたのはラスト200メートルくらい。すぐに良い反応をしてくれました。それまでも長く脚を使っていたけど、ゴーサインを送るとまた一段と速い脚を使ってくれました」
だから止まる気配は全然なかったと言い、続ける。
「最後はエアスピネルが来たのは分かったけど抜かれる感じはありませんでした。だからゴールより手前で勝利を確信しました」
それでもゴール直前では少し外へ行くのを矯正するように右から鞭を入れた。この時の鞍上の心境については最後に記そう。
過去のGIホースと比べても「楽しみな存在」
JRA競馬場で行われたダートのGIをルメール騎手が制すのはこれが5度目。先述した昨年のモズアスコットの他にも18年に京都競馬場で行われたJBCスプリントを優勝したグレイスフルリープや、13年ジャパンCダート勝ちのベルシャザール、そして08年、奇跡の復活劇を演じたカネヒキリがいる。
「ベルシャザールの時はコース取りなど、全てがうまく行って勝てましたけど、勿論、それだけの資格のある馬だったのは間違いありません。また、カネヒキリは屈腱炎を克服して勝った。本当に素晴らしいダートのチャンピオンズホースでした。でも、そういった名馬達と比べてもカフェファラオは負けていないと思う。楽しみな存在です」
過去にコンビを組んだ砂巧者と比べても楽しみと思える理由が、今回のゴール前にあったと言う。
「最後に外へ行きそうになったので、矯正するために鞭を入れました。昨年のチャンピオンズC以来となる久しぶりの競馬で、多分ちょっと疲れたのだと思います。そういう意味で、順調に使われればこれからまだまだ良くなる余地があると感じました」
まだ良くなる余地を残してのGI制覇。だから過去のGIホースと比べても「楽しみな存在」なのだと語る。実際、キャリアはまだ7戦の4歳馬。本当に彼が名を残すのはこれから先の物語かもしれない。