ラグビーPRESSBACK NUMBER
アシックスが支える“新しい田村優” 華麗なパスと正確無比なキックに加わった32歳司令塔の武器とは?
text by
谷川良介Ryosuke Tanikawa
photograph byKiichi Matsumoto
posted2021/02/25 15:00
キヤノンイーグルスの新キャプテンとしてチームを牽引する田村優
田村が大事にするホールド感
そんな充実ぶりが窺える司令塔には、一層、期待感を抱かせる心強い味方がいる。
かねてから信頼を置いてきたアシックスと、さらなるパフォーマンス向上を求めてアドバイザリースタッフ契約を結んだのだ。晴れて正式に“パートナー”となったことで、商品開発のアドバイスにも積極的に関わっていくという。
「具体的な時期は忘れてしまいましたが、膝を負傷したことで新しいスパイクを探し始めました。スパイクで大事にしている部分は踵が安定していること。足がぐらつかないというか、ホールド感があるのが好き。もちろんラグビーは走るスポーツなので、ガチッとしていても軽いのも重要です。キックに関しても、軸足にする時も、ボールにインパクトする時もシューズの中で足の横ズレが起きないことが理想。これまで履いてきたアシックスのスパイクはズレがなく、強度も高い。そこが好きなポイントです」
開幕戦では従来、愛用していたホールド性とフィット性に優れた「DS LIGHT ACROS」のブラックを着用。今後の試合で着用するであろう新作の「MENACE 4」とあわせて履き分けていくという。ちなみに「MENACE 4」は中足部にインナー補強を新たに搭載したことで、ソフトな足入れをキープしながら、ステップ時の足の横ブレを軽減するなど、田村の理想にマッチしたシューズに仕上がっている。
「海外ではピッチ環境がまちまちなので、複数のシューズを用意するなど何かと気を使うことが多い。でも日本のスタジアムはどこも素晴らしいピッチ環境が整っているので予想外のことは起きにくい。コンディションや天候、そして戦術に合わせていろいろと試しながら、最適なシューズを選んでいきたい」
信頼する指揮官、チームメイトに加えて、パフォーマンスを支える強力なパートナーを得た。そこにキャプテンという新しい役割がプラスされたことで、どんな相乗効果が生まれるか。
進化が止まらない32歳の司令塔、そのプレーから目が離せない。
田村 優Yu Tamura
1989年1月9日生まれ、愛知県出身。キヤノンイーグルス所属正確なパス、キックを持ち、バックスを自在に操る日本を代表するプレーメイカー。型にはまらないトリッキーな判断でディフェンスを翻弄する創造性が高く評価されている。
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