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「幸運の蝶」も大坂なおみが大好き? “全豪あるある”な虫の乱入と、ほのぼのかつ策士なアガシの逸話とは
posted2021/02/13 17:02
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph by
Hiromasa Mano
オーストラリアのチョウチョだってなおみが大好き。
全豪オープンのオフィシャルツイッターにそんなツイートが動画付きで投稿されたのは、大坂なおみとオンス・ジャバーの3回戦の試合開始から1時間9分が経った頃だった。
第1セットを6-3で先取した大坂。ツイートの時点で大坂は第2セット4-2とリードしていたが、蝶々絡みのハプニング自体は第6ゲーム、大坂のサービスゲームで30-40という場面で起こった。その前のゲームでブレークに成功した大坂だったが、30-30からダブルフォルトをおかしてブレークバックのピンチを迎えていた。
ブレークバックのピンチで「幸運の蝶」が
ボールボーイが大坂にボールを投げたそのとき、足首のあたりに止まった蝶に視線を落とし、不意の客をやさしく捕まえると、コートサイドへ放ってやった。ところがまた舞い戻った蝶は、今度は大坂の小鼻のあたりにまるでアクセサリーかタトゥーシールのように一瞬貼り付いたのだった。大坂はそれを捕まえて、またコートの外へ。
この間、約1分の中断。仕切り直しでサービスポジションに戻った大坂は、フォアの逆クロスへのウィナーでラリーを制してデュースにすると、さらに2ポイントを連取してキープに成功した。これで4-2。次のゲームを4度のデュースの末にブレークし、サービング・フォー・ザ・マッチはラブゲームで締めくくった。
全豪のコートには昆虫がよく乱入する
メディアは「幸運の蝶」と見出しを付け、「大坂は、まとわりつく蝶をやさしく安全な場所に逃がしてやった」とほのぼのとしたエピソードを伝えた。蝶よりも頻繁にコートに入ってくるコオロギだと、気づいても放置してボールボーイやボールガールたちにつかまえさせる選手もいれば、ラケットで手荒く脇へ吹っ飛ばす選手もいる。大坂は前の試合でも確か、コオロギを傷付けずに外へ逃がすことに奮闘していた。
全豪オープンのコートには、昆虫の乱入が頻繁にあるのだ。