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「幸運の蝶」も大坂なおみが大好き? “全豪あるある”な虫の乱入と、ほのぼのかつ策士なアガシの逸話とは
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byHiromasa Mano
posted2021/02/13 17:02
4回戦進出の大坂なおみ。試合中は“蝶のように”舞ったショットも見せた
「あんまりいいプレーが」できなくても
ブレークチャンスをことごとく生かせなかったジャバーが、それまで安定していたサーブで突如崩れる。
第6ゲームで2ポイント続けてのダブルフォルト。その後もファーストサーブが入らずリズムを狂わせてミスが続き、大坂がこの隙を逃さずラブゲームでブレークする。すぐにブレークバックを許したのは不覚だったが、冷静に再びブレークすると、最後はきっちりサービスキープでセットを締めくくった。
第2セットは第3ゲームでブレークし、冒頭の場面へと続いていく。6-3、6-2のスコアよりは苦しんだ印象で、試合を通してのファーストサーブの成功率は43%だった。半分を切ったのは3試合目で初めてだ。
「今日はあんまりいいプレーができなかったし、アンフォーストエラーも多分普段より多かったけど、その状況でも踏ん張れたことには満足している」
オンコート・インタビューで「オージー、オージー、オージー、オイオイオイ!っていう掛け声が好き」と大坂が言った途端にスタンドからそれが始まり、大坂を笑わせた。
2回戦からはマスクを着けずにインタビューを受けるようになり、スタンドとの一体感はより高まっていくようだが、このノリのいい観客たちは明日からいない。メルボルンは再び5日間のロックダウン下に置かれ、全豪オープンもその間は無観客となる。
元女王ムグルサについての印象は?
ただ、人気者にしては意外なことに、昨年の経験から「無観客試合は集中しやすいという面もあると気づいた」という大坂にとっては、大きな問題ではないようだ。静かなコートで次に戦う相手は、昨年の準優勝者であり、2016年の全仏オープンと2017年のウィンブルドンでタイトルを獲った元女王ガルビネ・ムグルサ。
「何年か前、芝で一度練習したことがある。彼女と試合をしたいと思っていたからワクワクしている」
4回戦屈指の注目カードだ。