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「パンツァー(戦車)」と呼ばれた屈強なMF、マテウスが語るリンクマンの重責【ドリームチーム選出】 

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アレクシス・メヌーゲ

アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge

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photograph byPatrick Boutroux/L’Équipe

posted2021/02/21 17:00

「パンツァー(戦車)」と呼ばれた屈強なMF、マテウスが語るリンクマンの重責【ドリームチーム選出】<Number Web> photograph by Patrick Boutroux/L’Équipe

バイエルン・ミュンヘンには合計12シーズン在籍。ブンデスリーガ優勝6回などに貢献した

マテウス バルセロナのふたり、シャビとアンドレス・イニエスタだ。どちらも10番でも6番でもなかった。ふたりともモダンフットボールの申し子といえるリンクマンであり、理想的な補完関係を築きながらバルセロナのバランスを保っていた。ペップ・グアルディオラのバルサは、そのポゼッションスタイルでひとつの時代を築いたが、それは10番のゲームメイカーを必要としないスタイルでもあった。

 まったく別のスタイルで際立っているリンクマンもいる。アルトゥーロ・ビダルがそうで、より守備的ではあるが神業のメスさばきを見るような緻密なロングパスで相手守備のズレを作り出す。またスティーブン・ジェラードとフランク・ランパードも高く評価している。ふたりとも屈強でデュエルに強く、同時にプレーについての知性も備えていた。だから違いが作り出せるし、どうすれば効果的にプレーできるかをよくわかっていた。常にコレクティブなプレーを心がけていたから、ともに偉大なキャリアを築きあげることができた。

レジェンドが認める現代のリンクマン

――それでは今日のリンクマンのなかで、見ていて楽しいと感じる選手は誰でしょうか?

マテウス とりわけ攻撃的な役割を担い、チームのプレーに大きな影響を与えている個性の強い選手だ。その点でビダルは僕の好みといえる。レオン・ゴレツカもバイエルンでこの数カ月の間に大きな進歩を遂げた。ルカ・モドリッチやトニ・クロースにはそうしたダイナミックさはなく、前へと進めていくプレーに加わることも少なく得点もほとんどない。彼らは僕が実践してきたこととは異なるやり方でプレーしている、別のタイプのリンクマンだ。イルカイ・ギュンドガンも卓越したテクニックを持つが点を取ることは稀だ。

――インテルのニコロ・バレッラはあなたと似たタイプだとは思いませんか?

マテウス たしかに類似点はある。23歳と若く、インテルではアルトゥーロ・ビダル、マルセロ・ブロゾビッチ、ロベルト・ガリアルディーニに混じってプレーしている。然るべき道を歩んでいるのは間違いない。彼は才能に溢れているだけでなく、どんな努力も惜しまない。潜在能力は計り知れず、今日のリンクマンが背負う責任についても十分に理解している。

【続きを読む】「3つのポジションをひとりで担った」世界最高のゲームメーカー、マテウスが語るミッドフィールダー論

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