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ワクチンが普及すれば東京五輪は開催できる? 感染症疫学専門家「接種しても他人を感染させないかは…」
text by
鳥集徹Toru Toridamari
photograph byGina Ferazzi/Los Angeles Times via Getty Images
posted2021/02/04 17:01
2月2日、米国カリフォルニア州の新型コロナウイルスワクチン接種会場の様子
感染者が増えたとしても、体制が整っていれば
「五輪を開催して、観客を入れられるようにするためには、新型コロナにかかっても安心して医療にかかれる体制を整備することが重要です。緊急事態宣言を繰り返さずに済むようにするためにも、今のうちに国や医師会は医療キャパシティを広げる努力をすべきです」
十分な感染対策が前提の話ですが、もし観客を入れたことで感染者が増えたとしても、すぐに適切な医療を受けられる体制が整っていれば、国民も安心して東京五輪の開催を喜ぶことができ、大きな混乱なく終えることができるでしょう。
具体的には、新型コロナ重症患者用のICU(集中治療室)や中等症・軽症患者用の入院施設・療養施設の拡充、容体が安定した患者を受け入れる後方病院の確保、看護師や医師など人材の補充、医療機関が安心して新型コロナ患者を受け入れられる財政的支援策の一層の充実などが求められます。
東京五輪に向けて努力をしてきた世界中のアスリートたちの夢を実現するためも、選手たちへのワクチン接種とともに、医療体制の充実を急いでほしいと願います。