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【大相撲】「夜寝る前は一人なので…いろいろ考えました」“初優勝”大栄翔27歳が語った本音 地元(朝霞市)のアピールポイントは…
text by
飯塚さきSaki Iizuka
photograph byKYODO
posted2021/02/05 11:02
大相撲初場所で初優勝を決め、賜杯を手に笑顔の大栄翔
大栄翔 やってるときは、自分がつま先立っているとはわからないんですが、「この体勢で攻めても、相手の攻撃やいなしを食らうな」と思いましたし、後で動画を見たらなおさらそう思いました。直さなきゃいけないところは見て、しっかり直していきたいです。
――しかし、見ていて感銘を受けたのは、負けても次の日は必ず立て直して勝っているところです。それができたのはなぜですか。
大栄翔 帰ってから親方に「絶対連敗だけはするな」と言われたんです。その言葉を強く思っていました。それに、負けた相撲も、自分の相撲を取り切って負けているので、細かいところを考えて一日落ち込んでてもしょうがないと。もちろん、自分が勝っていたからそう思えたのかもしれませんが、そういうふうに考えられる場所でした。
「夜寝る前は一人なので……いろいろ考えちゃいました」
――勝っていたからこその重圧もあったと思います。
大栄翔 もちろん、周りに期待してもらって、「優勝だ」と言ってもらえるのはありがたいことでした。でも、中日くらいから「優勝」と言われていたんですが、自分的にはまだあと半分あるし、一日一番しか取れないのに先を考えても仕方ないと思っていたので、本当に最後まであまり考えずに行きました。
――昔から、取組では緊張しないと言っていましたが、今場所はいかがでしたか。
大栄翔 土俵に上がったら腹が据わるんですが、夜寝る前は一人なので、いろいろ考えちゃうこともありました。でも、場所に行けばいつも通り、同じことの繰り返しなので、落ち着きましたね。
――優勝を意識し始めたのは、どこからですか。
大栄翔 千秋楽です。今日勝ったら優勝だとわかっていたから、勝って優勝したかった。最後の一番だったので、自分のなかで最高の相撲を取ろうという考えしかありませんでした。ここまで来て変なことをしても仕方ないので、自分がやってきた相撲をやろうと。
――自分で振り返ってみても、満点の相撲でしたか。
大栄翔 そうですね。最後もよかったと思います。
――優勝したこともそうですが、十五日間を通して自分の相撲を取り切ったことに対しても、本当に尊敬の念がやみません。それを体現できた理由はどこにあると考えていますか。
大栄翔 それこそ、日頃の稽古が実ったんだと思います。
「八角理事長の相撲を真似したらいいんじゃないか」
――逆に、見えた課題はありますか。