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三菱養和→15歳、父の転勤でドイツへ→デュッセルドルフでプロデビュー 20歳の青年が歩むブンデスの茨道
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2021/02/02 17:00
アペルカンプ真大はドイツで異質のキャリアを歩んでいる
現在は昇格レースの真っ只中
第19節を終了し(2月1日現在)、デュッセルドルフは自動昇格となる2位・ボーフムと勝ち点4差の6位。一時は降格圏の方が近い位置にいたが、視界は良好になってきている。
プロ選手としての自覚は日に日に増してきている。1部昇格を期待するファンの思いもしっかりと感じている。周囲からの期待に押し潰されて、焦りに追われることにならないよう気をつけながら。
「昇格という目標はプレッシャーにはなっていません。デュッセルドルフは、歴史があるドイツのなかでも大きいクラブです。メディアやファンも今季の最初は批判していたし、僕たちも難しい時期がありましたが、試合ごとにステップアップしています。自分たちのプレーを続けて、勝ち点を積み重ねていくだけです」
残念ながら、アペルカンプは第17節のグロイター・フュルト戦で軽めの肉離れを負い、現在は戦線離脱中。ウーベ・レスラー監督は「数週間かかると思う。ただ、数カ月の離脱ということはない」とコメントを残している。
出場機会を得ていたなか、負傷でプレーできない悔しさはあるだろう。ただし、慌てて復帰しても意味がない。今季はプロとして本格的に臨む最初のシーズンだ。
身体も心も、知らない間に疲労を溜め込んでいても不思議ではない。いまはじっくりと怪我を治し、英気を養い、もう一度ピッチで躍動してほしい。
近い将来、大観衆の前でアペルカンプの名前が叫ばれるシーンを見てみたい。