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三菱養和→15歳、父の転勤でドイツへ→デュッセルドルフでプロデビュー 20歳の青年が歩むブンデスの茨道
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2021/02/02 17:00
アペルカンプ真大はドイツで異質のキャリアを歩んでいる
自分がいまどこにいるのかをしっかりと見定めて、いまやるべき課題を正確に把握して、そのためにどう取り組むかを整理する。努力は、正しくしないと結果に結びつかない。
アペルカンプにとって、デュッセルドルフが志向するサッカーが自分に合っているのも幸いだった。2部はフィジカル要素が強調されるという見方が強い。確かに、1部と比べるとボールのせめぎあいでバチバチやりあうことで、主導権を握ろうとするチームが少なくない。そうした中、デュッセルドルフは自分たち主導でサッカーをしようという部分を大切にしている。
「僕も2部はフィジカルだけで、サッカー的な要素はあまり多くないと思っていました。でも、ちゃんとサッカーがしたいというチームが何チームもある。僕たちも能動的なサッカーがしたいし、そういうチャレンジができていることが嬉しいですね」
刺激的な猛者との対峙と、原口との対話
出場機会が増えてくると、楽しみな試合も増えてくる。2部とはいえ、伝統的なクラブも多く、代表クラスの選手だっている。
「楽しみだったのはハンブルガーSVとの試合。ただ、僕は負傷で欠場だったんですよね。キール戦も楽しみでした。韓国代表のイ・ジェソンさんがいますけど、あの人はゴールもアシストもたくさんしているし、2部ではトップの選手だと思います。あと2人の日本人選手がいるハノーファーとの試合も楽しみです。10月に対戦したときは試合後に原口(元気)選手と話して、ユニフォームも交換してもらって。あの試合、原口選手はフィールドでベストのパフォーマンスをしていて、チームにすごく貢献している選手だなと思いました。どの試合も僕にとっては大事ですし、大切だけど、強いチームとやるときは特に燃えますね。上位チームと戦うときは、特にモチベーションが上がります」