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戦場のようなメジャーで… 筒香嘉智、子供たちの質問「もう無理と思った時どう乗り越えた?」への回答は?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by提供写真
posted2021/01/18 17:01
オンラインで子供たちの質問に答えた筒香
「人と比較するのではなく、自分自身の可能性に対する喜び」
また「今日できなかったことが明日はできるようになっているという成長を楽しめるような日々を送ってほしいと思います」と失敗やうまくいかないことに悲観せずに、トライして成長することの大切さも強調。
「エクササイズの目的も、自分の身体を自由自在に扱えるようになること、能力を最大限に引き出せることで、人と比較するのではなく、自分自身の可能性に対する喜びだと思います」と説明した。
もちろんこれは筒香自身も常日頃から心に刻んで取り組んでいることで、特にコロナ禍で不自由な生活環境が続く中で意識的に行なってきたことでもあった。
念願叶って飛び込んでいったメジャーリーグの1年目は、キャンプも中途半端な形で終えて、日本に一時帰国を余儀なくされるなど、準備段階から苦難の連続だった。そんな中で日本に一時帰国した際に、コロナ禍の中でどう生活と向き合うべきかという話を聞くチャンスがあった。
その時に筒香が話していたのは、中学生のときに成長痛などもあり、1年間ほど野球の練習ができない時期があったこと。そしてそのときに現在も続けているエクササイズに取り組み出して、そこで自分の身体を自由に扱うことの大事さを知り、それがその後の飛躍のきっかけとなったということだった。
「結果として先を読む力が備わったりもします」
「実はこれは野球に携わっている人だけでなく、誰にでも言えることだと思うんです」
筒香は言う。
「普段と同じ生活ができないこの時間を使って、例えば自分の身体と真剣に向き合ってみる。すると人が本来持っているセンサーみたいなものが磨かれて、体調の変化にも早く気づいて対処できるようになるかもしれません。結果として先を読む力が備わったりもします。そういうことは社会に出たときに本当に大事なことなので、コロナの影響で不自由な生活が続いていても、この時間を使って、普段はなかなかできないことにチャレンジもして欲しいと思います」