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那須川天心に挑む志朗は一昨年の敗北から何をした? 「スタミナでは自分が勝っていることがわかった」 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2021/01/17 11:02

那須川天心に挑む志朗は一昨年の敗北から何をした? 「スタミナでは自分が勝っていることがわかった」<Number Web> photograph by Susumu Nagao

志朗(左)は打倒・那須川天心に燃える。これを「人生を変える一戦」にできるだろうか

「スタミナという部分では自分が勝っている」

 昨年12月25日には、来る2月28日横浜アリーナで開催の『RISE ELDORADO2021』で両者の対戦が55kg契約で行なわれることが正式に発表された。会見後、改めて那須川との初戦について聞くと、志朗は「あの試合映像を見るのもイヤだった」と振り返った。

「正直、いまでもフラットな気持ちでは見ることができない。でも、天心君と闘えるチャンスは(近い将来、那須川のボクシング転向が噂される中では)限られてくる。その中で勝つことを考えると、自分の悪いところを見直さないといけなかった」

 敗北を素直に認める自分もいれば、敗北をいまだ直視できない自分もいる。ファイターの心は揺れ続ける。

 すでに闘いは始まっている。クリスマスの会見で志朗は試合時間を3分3ラウンドから3分5ラウンドへの変更を申し入れたが、那須川はやんわりと拒否した。志朗にとっては、予想されたリアクションだった。

「天心君は5ラウンドマッチの方が苦しんでいるというイメージがある。逆に5ラウンドになったら、自分の勝率は上がる。(今回のやりとりで)スタミナという部分では自分が勝っていることがわかりました」

那須川は難しい相手だけど

 奇しくもフィジカルトレーナーはふたりとも一緒。使用している施設も同じなので、再戦が決定するや、志朗は那須川とニアミスしないように努めている。

「前回のときはちょっとだけかぶっていたので、今回は本当に顔を合わせないように時間帯をズラしてもらっています」

 前回同様、戦前の予想は那須川の方に大きく傾いていることは百も承知だ。志朗は「自分は挑戦することが好き」と開き直る。

「天心君にはパンチだけではなく、(飛びヒザなど)飛び系の技もある。難しい相手ですよね。でも、難しければ難しいほどあれこれ考えることは楽しいし、それがモチベーションになっている」

 那須川に勝てば、人生は一変する。

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