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【格闘技と“ビッグマウス”】那須川天心「違う世界を見せてやろう」、皇治「天心とは仲良くなれない」、田中恒成「井上尚弥さんを超えたい」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byGetty Images
posted2020/12/31 11:03
2020年も圧倒的な強さを見せた那須川天心と井上尚弥
<名言3>
俺だって現役でやっている以上、尚弥さんを超えたい。
(田中恒成/NumberWeb 2020年1月7日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/842095
◇解説◇
2020年の大みそか、ボクシング最大のビッグマッチは世界ボクシング機構(WBO)スーパーフライ級タイトルマッチ、井岡一翔vs田中恒成だ。2度目の防衛を目指す井岡と4階級制覇をもくろむ田中という構図は、ここ近年の日本人対決においても有数のマッチアップと言える。
特に田中はここまで15戦全勝(9KO)、井上尚弥と同じくプロ8戦目で世界2階級制覇を成し遂げるなど進境著しいボクサーだ。そんな田中は2019年大みそか、WBO世界フライ級タイトルマッチ、挑戦者のウラン・トロハツを右アッパーと左アッパー2連発で3ラウンドKO勝利を飾った。トロハツが2分近く立ち上がれない凄惨なKO劇には“田中強し”の印象を持った人も多いだろう。
そんな田中が残した“井上尚弥評”が興味深い。
「すごい評価なんだけど、それ以上の結果を残していく。この人は『凄いな』と思われながら、いつもそのイメージよりも上の内容と結果で勝っていくんです」
確かに井上は早期KOという事実に加えて、1つのパンチで対戦相手をリングに沈めるなど、数字に残る以上のインパクトを残している。
「尚弥さんはこれまでめちゃ早い回でKOばかりして『すげー』を与えてきた。それが判定になったら、『ああ、倒せなかったな』と、焦点がそこじゃなくて、感動になった。すごいなと思って。『頑張っているな』とすごく見えたわけではないのに、なぜかそう感じたんです。強い人がね、こんなに頑張っているのに、もっと俺も頑張らないと。俺の中ではやっぱり特別ですよね」
このように“尚弥愛”を語る田中。井岡を撃破することで、自らも“特別な王者”への道を歩めるか。