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那須川天心、朝倉海ら“RIZIN四天王”がそろい踏み 「5年間の集大成」大晦日大会、それぞれの勝算
posted2020/12/30 17:10
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
「マッチメイクの手応えは、この5年間で最高です」
RIZINの榊原信行CEOは、今年の大晦日大会『RIZIN.26』(さいたまスーパーアリーナ)についてそう語った。12月2日の記者会見でのことだ。最終的にはRENAなど何人かの主力選手の試合が組めなかったが、それでも期待感は高い。
那須川天心、朝倉未来、朝倉海が揃って参戦するのは昨年大晦日以来。負傷欠場から復帰する堀口恭司も含めて“RIZIN四天王”とするなら、全員が1大会に登場するのは稀なことだ。
彼らをRIZINが育てたとまで言ってしまっては大げさだが、RIZIN出場によって一般的知名度が高まったのは間違いない。また、こうした若い選手たちが活躍することでRIZIN自体が上昇していったという面もある。
「自分たちで紡いだストーリーが醸成されてきた。テーマをもって見てもらえると思います。集大成、歴史を感じてもらえるものになるんじゃないかと」
そう語った榊原。今のRIZINは、たとえばPRIDEゆかりの選手のネームバリューに頼ることなく大会場を満員にすることができる。そこで生み出された最大の“ストーリー”が、朝倉海と堀口恭司の闘いだ。
「堀口選手が休んでる間にさらに強くなってます」
昨年8月の初対戦時、堀口はRIZINと米メジャー団体ベラトールの2冠王。朝倉も結果を出していたが、力の差があると思われていた。いわゆるチャレンジマッチだ。
ところが、結果は海の秒殺KO勝ち。堀口の動き、そのクセを研究しつくした陣営の勝利でもあった。昨年大晦日のマネル・ケイプ戦は敗れた海だが、今年RIZINバンタム級王座を獲得。大晦日に復帰する堀口と、あらためてベルトをかけて再戦することになった。
「堀口選手が休んでる間に、自分は4試合してチャンピオンになった。前回よりさらに強くなってます」
“RIZIN史上最大のリマッチ”が決まると、海はそう語った。今回はいわば真価が問われる一戦。前回は失うものがない“追う者”の強さがあったが、2戦目は立場が逆だ。試合を重ねた分、堀口にとっては研究材料が増えたことにもなる。