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戦力外通告で引退・ヤクルト上田剛史が語る、ポスト青木の重圧、続く故障…「僕のことを忘れないで」 

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長谷川晶一

長谷川晶一Shoichi Hasegawa

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photograph byJIJI PRESS

posted2020/12/31 17:05

戦力外通告で引退・ヤクルト上田剛史が語る、ポスト青木の重圧、続く故障…「僕のことを忘れないで」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

上田剛史(左)は戦力外通告を受け、引退の道を選んだ。ヤクルト一筋、14年のプロ野球人生を語った

ヤクルトの未来は明るいですよ

 現役時代において最高の思い出は「2015年の優勝の瞬間」だと言い、プロ14年間については「本当にあっという間で、体感では5年ぐらい」と上田は笑った。最後に、「ファンにメッセージを」とお願いすると、彼は「これからのヤクルトの希望」を語ってくれた。

「ここ2年間、連続最下位で悔しい思いをしています。でも、僕は心配していません。ヤクルトの未来は明るいですよ。だって、山田(哲人)がいて、青木(宣親)さんがいて、村上(宗隆)がいるんですよ。塩見(泰隆)のポテンシャルはハンパないですよ。彼はトリプルスリーだって全然可能ですから。それに、山崎(晃大朗)がいて、(宮本)丈も伸び盛りです。何の心配もないですよ」

 改めて記録を調べてみると、プロ14年間で上田が放ったヒットは345安打。なるほど、本人の言う通り、それは「成績に見合わない惜しまれ方」なのかもしれない。しかし、成績以上の存在感を発揮したのは紛れもない事実だった。「背番号《50》上田剛史」という個性的な選手がいたことを、僕たちは絶対に忘れない。第二の人生も、さらに上田らしく、個性的な道のりを歩んでいってほしい。そう願わずにはいられない。

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