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「最終目標はPFP1位」無敗の3階級王者・田中恒成が明かす、井上尚弥の“本当の凄さ”
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byHatanaka Boxing Gym Andre
posted2020/12/30 11:08
4階級制覇王者で現WBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(Ambition)との対戦が目前に迫る田中恒成
田中 凄いのは基本動作、基本的な能力が高いところです。土台がめちゃくちゃしっかりしているんで、その上にいくらでも技術を積み上げられる。基本がなかったら、技術をいくら取り入れてもパタンと倒れちゃいますよね。(井上尚弥は)積み重ねてきた基本があるからこそ、新しい技術をどんどん取り入れていけるんです。
――先ほど、「自分には普通じゃない動きができる」と仰っていましたが、田中選手にも積み上げた土台があるからこそそれができるんですか?
田中 うーん、それとはまた違いますかね。俺は最初、基本からボクシングを始めてなくて、好きに、適当にやっていたので。ただ、数年前に基本を固め始めて、最近はその部分がしっかりしてきたのは感じます。ライトフライ級で戦っていた2017年に眼窩底骨折をして、その時に基本の必要性を感じて、フライ級に上げる前からその部分をしっかり取り組むようになりました。
――だとすれば、自分にはまだまだ伸びしろがあると感じられますか?
田中 それは本当に感じます。こんなところで止まったら、クソ弱いじゃんって思ってしまうくらい。自分の完成度はまだ60%くらいだと思います。
最終目標は「パウンド・フォー・パウンド1位」
――ボクシングはあまり見ないという話ですが、その中でも今後、この選手とは戦いたいという相手はいますか?
田中 エストラーダですね。順位をつけるのなら、(ローマン・ゴンサレスよりも)エストラーダかもしれないです。エストラーダはパウンド・フォー・パウンドでトップ10入りしていますし、評価高いですし。戦えば勝つ自信もあります。
――ボクサーとしての最終目標は?
田中 うーん、全然わからないですし、想像もつかないです……。パウンド・フォー・パウンド1位になりたいですね。強くなりたいっていうのはもちろんありますけど、ここまであまり人に認めてもらってないんで、客観的な形で認めてもらいたいです。
ちょっと適当に言っちゃった感はありますけど、パウンド・フォー・パウンド1位が一番の称号だと思うので、そうなりたいです。