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「厳しい世界で生き残るために必要なものって?」中村太地七段が思わず頷いた、26歳吉沢亮の“回答”とは
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byNanae Suzuki
posted2020/12/25 11:06
若くして活躍するお二人の特別対談。俳優の吉沢亮さん(左)と、棋士の中村太地七段(右)
吉沢 実はあまり変わっていなくて、ずっとこんな感じです。どこでも自然体ではいられるんですけど、人見知りだし、けっこう平気でサボる人間です(笑)。ただ自分で「あれやらなきゃ!」とか詰め込もうとしすぎないから、この仕事を続けていられるのかなという気もします。
とはいえ、中村さんみたいに、別の世界で突き抜けて成功した方と対談すると、いつも自分が恥ずかしくなります(笑)。
中村 え? どうして……(笑)。でも最近、色んな人とお話しさせていただきながら、辛い時とか行き詰った時にどうすればいいかの引き出しが増えるような感覚があります。全然違う分野なのに。不思議ですよね。
吉沢 とにかく人として学ばせていただくことが多いんですよね。ちゃらんぽらんな僕が話していい人じゃないかもしれませんけど、中村さんをはじめ何かを極められた人っていうのは本当にすごい。人の生き方を聞くってすごく芝居にも生きるし、勉強になります。
芸能界と将棋界「生き残る秘訣」とは?
――最後になりますが、芸能界と将棋界という厳しい世界で、“生き残るための秘訣”ってなんでしょうか?
中村 え~なんだろう……。
吉沢 でも将棋界のほうが厳しいですよ。絶対そうだと思います。
中村 いえいえ(笑)。役者さんは本当にすごいです。
吉沢 もちろんそれぞれに違うしんどさがあると思いますが、芸能界は実力だけでなく、運も大切な気がします。そこは棋士の皆さんが日々積み上げているものとは違うんじゃないかなと。
中村 そこで「運」と言えるのがカッコいいですよね。結果を出した上でのそれが……本当にすごい。
吉沢 そんなことないです。でもやっぱりお芝居は人と人との仕事なので、「初心を忘れない」ということが大事なんじゃないかな。