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渡邊雄太の価値ある2ウェイ契約 ラプターズ首脳陣が評価する「小さなこと」と「3P最低40%」の覚悟
posted2020/12/24 11:01
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Getty Images
12月18日、トロント/タンパ・ラプターズでのプレシーズン試合最終戦が終わった直後、渡邊雄太はニック・ナースHCとボビー・ウェブスターGMから呼ばれ、今シーズンのラプターズのロスターに残ることを告げられた。キャンプ参加20人のうち、一番下のノンギャランティの契約という立場から、ロスター枠(本契約15人、2ウェイ契約2人で合計17人)を勝ち取ったのだ。
その枠を作るために、ラプターズは昨季からチームに所属し、30万ドルのギャランティ額(解雇しても支払うことが保証されている額)の契約をしていたオシェー・ブリセットをカットしている。渡邊にそれだけの価値があると判断してのことだ。
「素直に嬉しかったですし、チームメイトやスタッフも、みんな祝福してくれたので、本当にうれしかったです」と渡邊は後から語った。
昨年とは違う“2ウェイ契約”
チームから正式に発表されたのはその2日後。2ウェイ契約をしていたポール・ワトソンJrが本契約選手となり、空いた2ウェイ契約の枠に渡邊が入った。昨季までの2シーズン、メンフィス・グリズリーズに所属していたときと同じ2ウェイという契約形態だが、トレーニングキャンプからプレシーズンにかけて、自分の力を発揮して勝ち取った契約ということで違う達成感があった。
「去年の2ウェイ契約に関しては、シーズン中、この位置は僕じゃなくていいんじゃないかと思ったことも、正直何回もありました。練習でも(試合に出場する選手のスクリメージには)ほとんど混ざれていなかった状態でした。1年目(18-19シーズン)はその前のサマーリーグでいいプレーをしたことで(2ウェイ契約を)もらえたんですけれど、そのときに2年契約をもらったことで、去年はコーチも代わって、GMも代わったりして、僕のメンフィスのチームでの役割って本当に何なんだろうっていうのをすごく考えたシーズンではあったので。今回ラプターズで、プレシーズン通して2ウェイの契約を勝ち取れたというのは、去年とは全然内容が違う2ウェイだと思っています」