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「自分の偽物感はぬぐえなかった」芸歴31年目のウエンツ瑛士が初めて明かす“海外挑戦”を決断した日
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byShigeki Yamamoto
posted2020/12/22 11:02
俳優でタレントのウエンツ瑛士さん
――誰もいない場所で挑戦したかった?
ウエンツ あまのじゃくなんですよね(笑)。だから誰にも頼りたくないし、誰も助けてくれない、日本人に会わない環境に身を置きたかった。誰かからイギリス留学の話を聞くこともなかったですね。
――え、じゃあ留学の準備はどうされたんですか?
ウエンツ 事務所にも言わずに全部自分で準備しました。学校を決めて、ビザを申請して……。お仕事の調整を済ませてから、留学の準備を始めると時間のロスも生まれてしまうので隠密行動をせざるを得なかったんです。「これがバレたら、芸能界追放されるのかなぁ」と思いながら(笑)。
あと、基本的になんでも自分でやりたい人なんです。自分で確認しないと前へ進めない。それに留学の準備なんて、貴重な経験じゃないですか。どんな気持ちになるのかも知りたかったし、それを誰かにやってもらうなんてもったいない。その経験を誰かにあげるのが悔しくないですか?
――でも、英語はほとんど話せなかったとか。
ウエンツ 語学学校に入学したときは初級クラスでしたよ(笑)。でも住むアパートとか、ボイストレーニングやピラティスの教室を探しながら、こんなに自分のことだけを考える時間もなかったな、と新鮮な気持ちでした。
これまでは休みがあっても、次の日や来週、1カ月後、半年後、1年後の仕事が決まっていたので、どこか頭のなかにはその仕事の準備をしなければ……という意識があったんです。完全な休みというか、これだけ自分に向き合える時間は人生で初めてでした。
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日々休むことなくストイックに仕事に打ち込み続けてきたウエンツさんは、こうして2018年秋から1年半の休業を公表し、イギリス留学に旅立った。
<撮影=山元茂樹>
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