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原巨人「完敗、完敗、完敗…」不完全燃焼感だけの日本シリーズ…監督・原辰徳に残された“最後の宿題”
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byHideki Sugiyama
posted2020/11/26 18:30
工藤ホークスに2年連続スイープされた原巨人だが…
野球の質と選手層の圧倒的な差。史上初の2年連続4連敗、誰がどう見ても完敗だ。ちくしょう……なんつって無数の巨大モニターで試合経過を追いながら、地域共通クーポン券を使い球場内の「ラーメン海鳴」で魚介豚骨ラーメン(780円)を食べたら、悔しいくらいに美味かった。今頃になってやけに骨身にしみる味だ。写真を撮っておこうと思ったらスマホのバッテリーが残り少ないことに気付く。やべぇ充電がない……ってコンコースのテーブルにUSBの充電コンセントがあるよっ! いや不覚にもコードをホテルに忘れてきちまった……って球場隣のシーホークギャレリアにコンビニがあるよっ! ちくしょう快適だぜ、東京ドーム色々負けてるよ。リースじゃない自前スタジアムの強み。球場グルメや設備面でも大きな差をつけられちまった。
38歳中島&亀井に頼った巨人、38歳内川を使わなかったホークス
マウンド上では巨人3番手の戸郷翔征が力投を続けている。解説者やファンの間でも、今季9勝を挙げたこの20歳右腕の中途半端なリリーフ起用には否定的な意見が多かった。正直、自分もそう思う。だからといって、仮に戸郷が先発していても、巨人が日本一になれたとは思わない。このチームの生命線は、坂本勇人、丸佳浩、岡本和真、菅野智之の“コア4”だったはずだ。ペナントレースの彼らの活躍がなければV2はできなかったし、この舞台にも立てていない。同時に彼らが機能しないとゲームプラン以前の問題に陥る。
坂本は第4戦のタイムリーがシリーズ初打点だったし、岡本は打率.077、丸は打率.133でともに打点0だ(チーム打率.132はシリーズワースト記録)。初戦に先発した菅野は4失点を喫し負け投手に。こんな時こそ、ペナントで存在感を見せた吉川尚輝や大城卓三や松原聖弥に期待したいが、彼らも結果を残せず揃って第4戦はスタメン落ちした。まだ若いからしょうがない? いや、シリーズMVPのソフトバンク栗原陵矢やパ・リーグ盗塁王の周東佑京は、さらに若い96年生まれの24歳である。この世代の台頭がない限り、チーム力の底上げは難しい。