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空前絶後のジャパンカップに!? JRA史上初、3冠馬3頭が揃い踏み… 参戦を決めたそれぞれの理由
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2020/11/15 11:03
18年のジャパンカップを芝2400mの世界レコードとなる2分20秒6という空前のタイムで制したアーモンドアイ
ディープに続いたコントレイルが名乗り!
しかし、そこに“待った”をかけるように手を挙げたのがコントレイル陣営だった。昨年の9月にデビューした同馬は続く東京スポーツ杯2歳S(GIII)を驚異的なレコードで圧勝。重賞初制覇を飾ると続くホープフルS(GI)も制し、GI初勝利。3歳となった今年はホープフルS以来となる皐月賞(GI)でサリオスとの無敗GI馬対決を制すと、続く日本ダービー(GI)では更にその差を広げて圧勝。この秋には前哨戦の神戸新聞杯(GII)で順調さをアピールした後、菊花賞(GI)も優勝。ここは名手C・ルメール騎手の乗るアリストテレスにクビ差まで迫られる辛勝ではあったが、これで通算の成績は7戦7勝。シンボリルドルフ、ディープインパクトに続く史上3頭目の無敗の3冠馬となってみせた。
レース後「3000メートル向きの馬ではないと思ったけど、よく頑張ってくれました」と福永祐一騎手が評した名馬を管理する矢作調教師は「競馬ファンが喜んでくれる選択を……」とジャパンCでデアリングタクトと対決する道を選んだ。自らも「競馬ファン」と語る伯楽らしい決断に、ファンも関係者も一気に盛り上がった。
デアリングvsコントレイルだけではなく
しかし、物語はこれで終わりではなかった。11月12日、なんとアーモンドアイの国枝調教師からもジャパンCへの参戦が発表されたのだ。
先出の3歳3冠馬2頭より2歳年上のアーモンドアイがデビューしたのは2017年の夏。今考えれば距離不足と思える1400メートル戦だった新馬戦こそ2着に敗れたが、その後、彼女の快進撃が始まる。
3歳時は桜花賞、オークス、秋華賞の牝馬3冠に加え、ジャパンCでは2分20秒6という驚愕のレコードタイムをマークして圧勝。年度代表馬となり、国内に敵無し、を印象付けると、年が明けた19年には勇躍ドバイへ遠征。初の海外遠征も彼女にとっては何の障壁にもならずドバイターフ(GI)を勝利してみせた。