競馬PRESSBACK NUMBER
空前絶後のジャパンカップに!? JRA史上初、3冠馬3頭が揃い踏み… 参戦を決めたそれぞれの理由
posted2020/11/15 11:03
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
多方面でニュースになっているのですでに読者の皆様はご存知だろう。ジャパンカップ(GI)が大変なことになりそうだ。
今年は11月29日に行われるこの国際レース。例年通り東京競馬場の芝2400メートルが舞台になる。今年はフランスからウェイトゥパリスが参戦を表明しているが、話題の中心は日本馬だ。今年、無敗で3冠を達成した牡牝の駿馬、コントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)とデアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)、それにJRA史上最多の芝GI8勝目をマークしたアーモンドアイ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)が参戦。JRA史上初めて3冠馬3頭が同じ舞台に顔を揃え、覇を競う事になったのだ。
デアリングタクトが無敗四冠と思われたが…
最初に出走を表明したのはデアリングタクト。若き松山弘平騎手を背に昨秋の新馬戦を勝利すると今春、エルフィンSも優勝。2戦2勝で迎えた桜花賞(GI)も勝利してGI初制覇した後、返す刀でオークス(GI)も制覇。その後は休み明けのぶっつけで挑んだ秋華賞(GI)も快勝。デビュー以来負け知らずの5連勝で牝馬3冠全てを制覇してみせた。
「デビュー戦は大人しかったのに1度使ったせいかエルフィンSの時はだいぶ気合いが入ってしまいました。それ以降はいかにリラックスさせてレースへ臨むかを課題にしました」
そう語ったのは手綱をとった松山騎手だ。後を引き取り「具体的には以前は着けていなかったメンコ(耳覆い)を被せるなどしました」と言うのが杉山調教師。そういった努力が実り3冠牝馬となると、牝馬同士のエリザベス女王杯ではなく、ジャパンCへの参戦を表明した。過去にはジェンティルドンナが3歳牝馬の身で制した事もあるように、斤量差をもらえるこのレースは、たとえ古馬の牡馬勢が相手でも充分に勝ち負け出来ておかしくない条件。いの一番に出走を表明した時には、これで無敗の4冠目か、とも思われたものだ。