ときに羨ましく思い、ときに焦りも感じる

「舞依ちゃんは結構、試合でノーミスのジャンプを揃える選手なので、練習を見ていても不安にならないというか『きっと試合でもノーミスするんだろうな』と思います。舞依ちゃんは安定感がすごいので、自分は安定感という点で欠けているところがあって、自分も頑張って安定した演技をしないと負けてしまうと思うんです。舞依ちゃんが復帰したことによって、そういう気持ちにまた今年からなって、負けたくないという気持ちがまた芽生えてきたかなと思います」

　自分はスピードが持ち味なのに、安定感が持ち味の三原の練習姿を見ているうちに、迷いが生まれていたのだろう。

「ノービスのときから一緒に戦ってきたので、こんなに身近にいるライバルはそういません。舞依ちゃんの存在は大きくて、舞依ちゃんのおかげでここまで成長できたと思います」

　そう言うと、自分を見つめ直すように、大きくうなずいた。

　スケートの持ち味も、性格も異なる2人。だからこそ、ときに羨ましく思い、ときに焦りも感じるのだろう。しかし2人の成長の源になってきたのは、お互いを認め合い、尊敬しあう気持ち。待ち焦がれていたチームが再び動きだした。