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36歳越川優にまた驚かされた! ビーチバレーからVリーグへ再復帰、希望したのはマネジメント業?
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNoriko Yonemushi
posted2020/11/09 17:01
コロナ禍で大会が中止になった学生のためにイベントを主催した越川優
16年設立のヴォレアス北海道
ヴォレアス北海道は2016年に設立された旭川市を拠点とするプロチーム。地域活性化につながる活動や、チケットの電子化などバレー界では初の試みを仕掛けていく様子に越川は以前から興味を持っていた。そこで、ヴォレアスの池田憲士郎代表取締役社長に自ら売り込んだ。ただし選手としてではなかった。
チーム運営などの部分で、海外のプロチームも含めて自身が経験してきたことをヴォレアスに還元しながら、マネジメントを学びたいと考えたのだ。
「マネジメントはもともとやってみたいなと思っていました。監督やコーチングもですが、いろいろなことができるよう、準備はしておきたいなと思っています。何が自分に合っているかやってみないとわからないし、何を求められてもできるような知識はつけておきたいので」
ところが池田社長には、選手として力を貸して欲しいと言われ、今季ヴォレアスでプレーすることを決めた。「求められているところにこそやりがいがある」というのが越川のモットーだ。ビーチバレーをやめるわけではなく、Vリーグ中はインドアでプレーし、リーグが終わればビーチに戻る。
「床の上で全然動けない(笑)」
ヴォレアスの今季の開幕戦は10月24日のヴィアティン三重戦だった。旭川市リアルター夢りんご体育館で行われたホームゲームでスタメン出場した越川は、まだ少しぎこちなさはあるものの、要所で持ち前の勝負強さを発揮し開幕戦勝利に貢献した。
開幕前は、「砂の上で動くためのトレーニングしかしていなかったから、床の上では全然動けない」と苦笑していた。
例えば、インドアでは床の反発や上半身の反動も使って跳ぶが、砂の上で同じようにすると、踏み切る時に砂を蹴ってしまって力が伝わらない。そこで、ジャンプする瞬間に砂を床のような状態にしなければならないという。
「だから足首を固めて、お尻とハムストリングを使って跳ぶということをやってきました。でも床になると、反発を使うために足首とふくらはぎや、上半身の反動も使って跳ばなきゃいけないんです」
体の使い方を戻すのは容易でなかったが、本番のコートでは結果を出した。