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本田圭佑は「FKとPK全部蹴る」宣言しては? 3人も監督解任、財政難&混迷ボタフォゴを救う道
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byAFLO
posted2020/11/08 17:00
ボタフォゴで着実に出場機会を得ている本田圭佑。ファン・サポーターの信任は得ているだけに……
敗戦翌日、たった6試合で監督解任
とはいえ、時間はたっぷりある。失敗を取り戻すべく、必死の形相で相手ゴールへ向かう。左足から強烈なミドルシュートを放ったが、惜しくも外れる。スルーパスを繰り出すも、味方選手とタイミングが合わない……。
ボタフォゴは、プレスに連動性がなく、中盤の攻防で劣勢で、終盤の攻撃はサイドからハイクロスを入れるだけで単調。敗戦は、本田だけの責任ではなかった。
試合翌日、クラブは10月1日に監督に据えたブルーノ・ラザローニを解任。27日間に6試合で采配を振るっただけだった(成績は2勝2分2敗)。
PKとアシストで獅子奮迅の活躍も
そして10月31日、ボタフォゴはブラジルリーグでセアラと対戦。新監督が決まっておらず、この日はGKコーチのフラビオ・テニウスが采配を振った。
前半16分に本田は中盤でパスを受けると、右サイドを走るレカロスへスルーパスを放つ。レカロスがマーカーに倒され、ボタフォゴはPKを獲得した。キッカーは本田。左へ蹴ると見せかけてGKを動かし、右下隅へ決めた。リーグで2点目、リオ州選手権を合わせると今季3点目だった。
その後、ボタフォゴは追いつかれたが、本田の右サイドへの縦パスからのクロスをCFマテウス・バビが頭で決めて勝ち越す。
さらに、本田からのパスを受けた左SBビトール・ルイスがクロスを入れた際にボールがDFの腕に当たって再びPK。当初は本田がボールを持っていたが、PKのきっかけを作ったルイスにキッカーを譲った。ところが、シュートはゴールバーのはるか上。ボタフォゴは、リードを広げる絶好のチャンスを逃した。
そして、後半、セアラに追いつかれ、実に11度目の引き分け。この試合で、本田は2得点に直接、間接的に絡んで“幻の3点目”(PK)にも関係していた。