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本田圭佑は「FKとPK全部蹴る」宣言しては? 3人も監督解任、財政難&混迷ボタフォゴを救う道
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byAFLO
posted2020/11/08 17:00
ボタフォゴで着実に出場機会を得ている本田圭佑。ファン・サポーターの信任は得ているだけに……
キッカーを譲ったのは本田らしくない
例えば、セアラ戦ですでにPKを蹴っていたとはいえ、キッカーを譲ったのは本田らしくないと感じた。
日本代表の強化試合(2009年9月のオランダ戦)で8歳年上の名手中の名手である中村俊輔からFKキッカーを奪い取ろうとし(結果的には中村が蹴った)、ACミラン時代には元フランス代表ジェレミー・メネズとFKキッカーを激しく争った末に強引に蹴り、見事に決めた男なのだ。
それこそ「今後、PKとFKは全部俺が蹴る」と宣言してもいいのではないか。
それは、地元メディアとサポーターの願いでもある。
ボタフォゴの昨季のブラジルリーグの成績は15位で、チームにとっても本田にとっても、それ以上の成績がノルマとなるはずだ。
理想は来季のコパ・リベルタドーレスのグループステージ出場権を手にする4位まで、あるいはその予選に参加できる6位までに食い込むことだが、最悪でもコパ・スダメリカーナに出場できる12位までに入りたい。それは、彼の入団を熱狂的に歓迎してくれたボタフォゴ・ファンへの恩返しとなるはずだ。
未曾有の苦境に喘ぐ古豪を牽引し、誰も予想しなかった快進撃の立役者となる――そんな小さな奇跡を実現できれば、ひょっとしたら本田圭佑は東京五輪出場という果実を手に入れるかもしれない。