熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
本田圭佑は「FKとPK全部蹴る」宣言しては? 3人も監督解任、財政難&混迷ボタフォゴを救う道
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byAFLO
posted2020/11/08 17:00
ボタフォゴで着実に出場機会を得ている本田圭佑。ファン・サポーターの信任は得ているだけに……
「本田がすべてのPKを蹴るべきだ」
試合後、地元メディアとサポーターから、「本田がすべてのPKを蹴るべきだ」という声が噴出した。
ブラジルリーグ18試合を終えた時点で、ボタフォゴは3勝11分4敗(得点19、失点22)で20チーム中14位。降格圏である17位との勝ち点差は1しかない。
このような状況で、11月3日の試合を迎えた。この試合も、テニウスが監督代行を務めた。
決戦でリーダーシップを発揮したが
試合会場のアレーナ・パンタナルは、2014年ワールドカップのグループステージ最終戦で日本代表がコロンビア代表と対戦し、1-4で敗れたスタジアムだ。この試合に出場した本田は、個人的にもリベンジを果たしたかったはず。試合前に組んだ円陣でチームメイトに盛んに言葉をかけ、気合いを入れていた。
どうしても勝たなければならない試合とあって、ボタフォゴは試合開始直後から攻め立てた。開始12秒でCKを奪い、前半4分に最初のシュートを放つ。しかし、クイアバは連動した守備で得点を許さない。明らかな決定機を作ったのは、むしろクイアバの方だった。
前半終了直前、本田がゴール前正面約25mのFKを蹴る。しかし、大きく上へ外れて天を仰いだ。
後半に入るとボタフォゴはFWを次々と投入し、最後はCBまで上げて5トップ。ハイクロスを上げて長身選手の頭を狙うという単調な攻撃ではあったものの3度の決定機を作り、シュートがバーを叩いた場面もあった。しかし、相手GKの好守もあってスコアレスドローに終わり、敗退した。
伝説の右ウイング・ガリンシャや左サイドバックのニウトン・サントスらを輩出した1904年創立の古豪が、なぜ創設後19年の2部のクラブに勝てず、のみならず180分間プレーして無得点だったのか。