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戦力外通告、大物選手は何を考えるのか「必要とされなくなればクビになるだけ」「故郷を失った自分は…」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKYODO
posted2020/11/04 18:00
楽天退団後、ドジャースのマイナーリーグ入団テストを受けた下柳。合格には至らなかった(右はラソーダ元監督)
2005年以降は流浪の野球人生となった
<名言2>
居場所が無いのなら、自分の力を評価してくれる場所を求めるのがプロではないか。
(中村紀洋/725号 2009年3月19日発売)
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◇解説◇
中村ほど浮き沈みの激しい野球人生を歩んだ選手はいないだろう。近鉄時代には2000年に本塁打王と打点王の二冠王を獲得。01年には46本塁打を放つなどパ・リーグ制覇に大きく貢献した。
しかし2005年以降は流浪の野球人生となった。
その年にドジャースとマイナー契約したものの1年で契約解除。その後、日本球界に復帰したが、2006年オフにはオリックスを自由契約になる。
それでも育成枠で中日に入団し、落合博満監督の下で日本シリーズMVPを獲得した。自らのバットで居場所を作り直したのだ。
その後、中村は楽天、横浜と渡り歩き、2013年には日米2000本安打を達成。名球会に名を連ねたものの、2014年に再び戦力外通告を受けた。
自由契約後も現役続行を表明したが、どの球団からもオファーがなく、2015年5月に野球教室の開校を表明。引退宣言こそしていないが、NPB球団に選手として復帰する意思がないことを示している。