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「クルマに追突され、背骨3カ所骨折…」大事故にあった“自転車フリーク”が「自室」で10万km走破した話 

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山本健一

山本健一Kenichi Yamamoto

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photograph byTsutomu Iwabuchi

posted2020/11/04 20:00

「クルマに追突され、背骨3カ所骨折…」大事故にあった“自転車フリーク”が「自室」で10万km走破した話<Number Web> photograph by Tsutomu Iwabuchi

自転車のオンラインプラットフォーム「Zwift」で、仮想空間上の仲間とチャットを楽しみながら練習を積む岩渕努さん

「平日は水曜日だけは夜にイベントがありますが、基本的に朝が練習の時間です。平日は家族が活動を開始する早朝4時から7時くらい、週末は午前3時から5~6時間がトレーニングのコアタイム。早い日は午前1時半から走って……もはや朝ではないですけど。仲間に『午前0時を過ぎれば朝だ!』というと、“お前はバカだ”と(笑)。

 もちろんちゃんと寝ていますよ。就寝時間は午後9時。娘と寝るという任務があるので……そう言い聞かせながら自分が眠いだけです(笑)。とはいえ6時間は睡眠をとらないと体力的にきついのですが、ズイフト界では『岩渕はバイクがベッド』という設定になっているらしいです(笑)」。

世界で10人の10万km突破

 そんな自転車漬けの生活を続けてきた岩渕さんは、今年の6月20日、ズイフトの世界で12番目、日本人初の10万km走行を達成した。達成までの期間はおよそ2年半だ。

「今10万kmを突破しているのは、全世界で10人くらいです。実質のトップは魅力的なグループライドを主催しているオーストラリアのティムさん。彼は18万㎞走っています。10月中旬時点で、僕は11万3000kmですね」

 仮想世界では大きな目標を達成した岩渕さん。今後の現実世界での目標はどこに置いているのだろうか。

「今年の3月にニュージーランドのトライアスロン大会に出場しました。そこで年代別で上位に入り、アイアンマン・ハワイのスロット(出場権)を狙っていたのですが取れなかった。これが悔しくて。当面の目標はハワイの挑戦権をゲットすること。また、国内のロングの大会、具体的には『佐渡国際トライアスロン』で優勝したい。佐渡のための練習中に事故をしてしまったので、必ずこの大会で優勝したいんです」

 10万km、地球2.5周分――。世界屈指のズイフト走行量を誇るサイクリスト、岩渕努。取材前は、寡黙で苦痛に耐える屈強なタフガイを想像していたが、実際は温和で好奇心に溢れ、そして努力することそのものを楽しめる人だった。

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