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きっかけは淳の「外ぐらい出ろよ」 ロンブー亮が明かす「『謹慎中に何してんねん』を変えたランニング」
posted2020/11/06 06:00
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Nanae Suzuki
まずはおそるおそると――。ロンドンブーツ1号2号の田村亮は、ランニングを再開するにあたって愛犬の散歩から始めたのだという。
「ずっと家の中にしかいなかったから、モチベーション的には走りたい、体力戻したいなというのもあって、犬の散歩をしながら一緒に走ったりするところから始めたんです」
昨年6月に発覚した闇営業問題によって、亮は約半年間の謹慎生活を送った。その鬱々とした日々から抜け出すきっかけのひとつにランがあったという。「もともと僕は走るの嫌いやから」と柔道部だった学生時代からランニングは苦手種目。NHK BS1のランニング番組『ラン×スマ 街の風になれ』のMCに起用された事をきっかけに走り始めるまでは自分でやってみようなどと考えもつかないような対象だった。
それがなぜ一番辛い時期を支えるほどの力を持つに至ったのか。発売中のNumberDo『RUNの新常識』、著名人のランをテーマにした今回の連続インタビューにおいて、そのあたりをぜひ聞いてみたかった。
淳に「外ぐらい出ろよ」って
最初はランニングとのなれそめを聞き、予定していたインタビュー時間の半分ほどが過ぎた頃、こちらも少しだけおそるおそると切り出した。
「去年、しんどい時期があったと思いますが……」
「はい」
それまでより低い声で亮が短く答えた。部屋を流れる空気が、一瞬だけザラ紙みたいに強ばった(ただの思い過ごしだったかもしれないが)。
「そうですね。あのー、一歩も外に出てなくて、ほんで怪我もしていたから動けないというのがあった。そんで(相方の)淳に『外ぐらい出ろよ』って言われて」
いざ話し始めてみれば穏やかに、次第ににこやかに、やがて肩の力が抜けて普段通りに亮は語り続けた。きっとランニングを再開したときもそうだったのだろう。
謹慎中に何してんねんと思われるんじゃないか
自宅にこもりきりの毎日から抜け出し、久しぶりにランニングシューズに足を通したのは、夏が過ぎて9月も終わりに差し掛かった頃だった。足の指を2度も骨折したこともあったが、何より亮の生真面目な一面が、自らを走ることから遠ざけていた。