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神宮の珍事で嵐ファンと野球ファンが“場外乱闘”? 次々起こる“事件”経て、なぜか「アラフェス2020」観ることに 

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長谷川晶一

長谷川晶一Shoichi Hasegawa

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posted2020/11/03 11:00

神宮の珍事で嵐ファンと野球ファンが“場外乱闘”? 次々起こる“事件”経て、なぜか「アラフェス2020」観ることに<Number Web>

神宮を包み込んだ爆発音と鮮やかな花火。ヤクルトファンにとって忘れられない1日になったのは間違いない

選ばれし富豪だけが参加できる地下格闘技かと

 現地では何が起こったのか何の説明もなかった。むしろ、試合中断を宣告した主審の市川貴之さんも、「一体何事か?」と困惑しているようだった。ただ、神宮球場レフト後方の新国立競技場から花火と風船が打ち上げられ、球場全体が白煙に包まれ、色とりどりの風船が乱舞する事態が起きたという事実だけがそこにあった。

 僕の周りの観客からもどよめきが起こっていたが、どこからか「嵐のコンサートだよ」とか、「無観客イベントが行われているらしいよ」という声が聞こえてくる。なるほど、そういうことだったのか。このとき神宮では本拠地6連戦の5戦目だったのだが、その数日前から、新国立競技場でいくつもの照明が明滅していることが気になっていた。

 あるときは、サーチライトによる数本の光彩が闇夜に伸びていた。またあるときは、七色の光が激しく右から左へ、左から右へ明滅していた。しかし、人々の歓声はまったく聞こえない。何かのリハーサルをしているのか? それとも、選ばれし富豪のみが参加できる地下格闘技でも行われているのか? 『カイジ』、あるいは『グラップラー刃牙』的な妄想を抱きながら、僕はグラウンドを見つめていたのだった。

嵐の5人による生サインに「なぜ?の嵐」

 翌日以降、この日の全貌が徐々に明らかになっていく。新国立競技場では11月3日配信の無観客ライブ「アラフェス 2020 at 国立競技場」の収録が行われていたこと。舞台演出で使用された花火と風船が試合中断の原因となったこと。アラフェス主催のジャニーズ事務所が球団に対して謝罪をしたこと。さらに、冒頭で紹介したように、このとき飛来した風船がフリマサイトで高値で取引されていたこと……。

 注目すべきは、ジャニーズ事務所が球団への謝罪の際に嵐の5人による生サインを持参したというニュースだった。最初にこれを聞いたときには「なぜ?の嵐」(by吉沢秋絵)に包まれたものだが、嵐のファンによると「5人がまとめて生サインをすることはほとんどない」とのこと。超激レアのお宝が、今後神宮球場に飾られるのだという。神宮を本拠地としている「ヤクルト」とはまったく無関係な、新たな「神宮名所」となるのだろうか?

【次ページ】 嵐ファンと野球ファンの「場外乱闘」!

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