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【巨人連覇・強さの根源】菅野智之が乗り越えた“原家の呪縛”と「最大の欠点」とは 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2020/11/01 06:01

【巨人連覇・強さの根源】菅野智之が乗り越えた“原家の呪縛”と「最大の欠点」とは<Number Web> photograph by KYODO

10月6日、DeNAに勝利し、原監督(右)と言葉を交わす巨人・菅野。開幕から13連勝、通算100勝を挙げた

決して絶対的なピッチングが続いているわけではない

「先人たちが築き上げてきた記録は、なかなか抜けないものだと思っていた。それを更新できて嬉しいですし、まだまだ伸ばしていきたい」

 ヒーローインタビューでこう語った菅野だが、決して道のりは平坦ではなかった。

「改めて野球というのは助け合いのスポーツなんだと実感しています」

 勝ち続けているが決して“快投乱麻”、絶対的なピッチングが続いているわけではない。

 記録達成のこの日の試合も序盤から抜け球が多く、持ち前の制球力で苦しむ内容だった。

 3回には先頭の大和に四球を与えて、送りバントに安打の一、三塁から犠飛で1失点。さらに4回には1死から佐野恵太外野手に二塁打を浴びた直後に5番のホセ・ロペス内野手に左翼スタンドに運ばれた。

 いずれも真っ直ぐが少し高めに浮いた失投をとらえられたものだった。

打線を信じ、自分の後を引き継ぐリリーフ陣を信頼して

 6月26日の神宮球場でのヤクルト戦は6回途中で5失点して、事実上のKO降板と言ってもいい内容だったが、味方打線の大量援護で負け投手を免れてもいる。

 一方、9月1日の東京ドームのDeNA戦では1点リードの8回まで4安打10奪三振で1失点という好投をしながら、2死から連続四球を出してバトンタッチした中川が同点打を打たれて白星が消えたこともあった。

「(連勝記録は)自分だけはどうにもならない。正直、自分がいいピッチングをしても勝てない時もありますし、こうやって3点、点の取られ方もフォアボールから失点したりで良くない。そういう時に(打線に)助けてもらっているというのもある」

 それでも打線を信じ、自分の後を引き継ぐリリーフ陣を信頼して、引くところは引いてゲームを作り上げていく。

 そういうピッチングをできるようになった結果が、この連勝記録に繋がったのだろう。

【次ページ】 原監督「トモは僕の現役時代をもうとっくに乗り越えた」

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