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【巨人連覇・強さの根源】菅野智之が乗り越えた“原家の呪縛”と「最大の欠点」とは 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2020/11/01 06:01

【巨人連覇・強さの根源】菅野智之が乗り越えた“原家の呪縛”と「最大の欠点」とは<Number Web> photograph by KYODO

10月6日、DeNAに勝利し、原監督(右)と言葉を交わす巨人・菅野。開幕から13連勝、通算100勝を挙げた

菅野の投手としての最大の魅力であり、欠点とは?

 貢さんもまた東海大系列校野球部総監督として、菅野が歩んできた東海大相模高校、東海大学というアマチュア時代の全てを見てきたのである。

 そんな貢さんが菅野の投手としての最大の魅力であり、欠点であると指摘したのが「責任感の強さ」だった。

「あの子は『いくか?』と聞かれれば、絶対に『行きます!』と答える子なんです。自分が投げているときはとにかく完投したい。リリーフの負担を軽くしたい。それがトモの性格の強さなんだ」

 貢さんの分析だ。

「ただアマチュアならいいですけど、プロの世界は違う。プロの世界はシーズンを通してどれだけチームに貢献できるか。それが優勝するためには重要なんです。そのことを肝に銘じて、引くところでは引けるようになれれば、あいつは本当にプロの投手になる」

東京ドームでの観戦から5日後に……

 貢さんがこんな話をしていたのは2014年の4月29日のことだった。東京での菅野の先発試合はほとんど観戦し、この日も東京ドームのヤクルト戦に菅野が先発するため駆けつけ、“愛弟子”の成長を楽しみにしていた。

 しかしそれからわずか5日後の5月4日、貢さんは心筋梗塞と大動脈乖離で倒れ、20日余の闘病の末に帰らぬ人となったのである。

 あれから6年が経った2020年10月6日の東京ドーム。

 この日のDeNA戦に先発した菅野は、7回120球を投げて4安打3失点でマウンドをセットアッパーの中川皓太投手に譲った。最後を守護神、ルビー・デラロサ投手が締めてチームは6対4で勝利。

 菅野は自身が開幕投手から続けてきた連勝をプロ野球記録の13へと伸ばし、平成生まれとしては初の通算100勝をベンチから見届けたのである。

【次ページ】 決して絶対的なピッチングが続いているわけではない

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