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「那須川天心には勝たれへんやろ」アラフォー裕樹の引退試合! 全てはあの“不良漫画”の世界から始まった
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph bySusumu Nagao
posted2020/10/31 17:02
魔裟斗の時代から那須川天心の時代へ、2人のスターが輝けたのは裕樹の力も大きかっただろう
正真正銘のラストマッチ。完全燃焼を魅せてくれ
「これは僕の人生のテーマだと思うけど、(最終的に)誰かにすごいとか強いと思ってもらうのではなく、自分で自分をすごいと思って終わりたい。だったら最後まで自分自身にチャレンジしていくしかない」
昭和のスポーツ根性路線の劇画のように熱くなる一方の裕樹とは対照的に、那須川は「冷静かつ上昇」をテーマに揚げる。冷静に裕樹を倒して世代交代を遂げ、次戦といわれる大晦日の一大決戦に向け上昇したいということだろう。それでも、裕樹が「男と男の勝負になる」と宣言している気持ちだけは真正面から受け止めるつもりだ。
「応えつつ、しっかり倒さないといけない」
ここ数年、裕樹は「次の試合があると思ってやったことはない」と打ち明ける。ようやく決まった正真正銘のラストマッチで、悪童から生きる伝説となった男は神童を相手にどんな完全燃焼を魅せてくれるのだろうか。