「我々の姿を見たくないことも分かっている」

　ワイルドカードシリーズを勝ち抜いた際、リーダー格のカルロス・コレアは言った。

「多くの人が怒っていることも、ここ（ポストシーズン）で我々の姿を見たくないことも分かっている」

　相手チームだけでなく、ファンを欺き続けていた事実が、そう簡単に過去の出来事として忘れ去られるとは思えない。来季、有観客となれば、敵地での大ブーイングも避けて通れないだろう。

　ただ、アストロズにすれば、過去を振り返ってばかりでは前へ進めない。クリーンな野球を続け、白星を重ね、それでもファンの信頼を取り戻すためには、長い時間が必要かもしれない。

　来季も同じコーチ陣、スタッフで指揮を執る予定のベーカー監督は、逆風の中で戦い抜いた選手たちの胸中を思い遣った。

「このチームのことを嫌いな人々はいるだろう。ただ、少なくともこのチームは尊敬されていい」

　ワールドシリーズ目前で喫した黒星は、果たして新生アストロズの第一歩となるのだろうか――。

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