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18歳の女子高生サーファー・松田詩野は成長中! 輝く笑顔の波乗り娘が進むオリンピックに続く道 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byKyodo News

posted2020/10/22 11:02

18歳の女子高生サーファー・松田詩野は成長中! 輝く笑顔の波乗り娘が進むオリンピックに続く道<Number Web> photograph by Kyodo News

決勝を終えて脇田紗良(左)とハイタッチを交わす松田詩野。オリンピックへ成長を続けている

トライした5本目で、良い波をキャッチ!

 松田は試合がなかった時期に行なった実戦形式の練習で、序盤から積極的に波に乗る場合と、序盤は波に乗らない場合のトータル的な出来栄えを比較したという。

「普段から自分が一番安定している時の動きを覚えておくようにしていたのですが、練習を振り返ると、最初から波に乗っている方が体も動くし、安定して波を見つけることもできていた。それが頭の中にあったので、最初はいい波じゃなかったのですが、乗ってリズムを作れたかなと思います」

 その言葉通り、松田は10分過ぎにトライした5本目で、良い波をキャッチ。得意の「カービング」で6.00点を稼ぐと、終了間際に繰り出した8本目にもダイナミックなカービングで6.43点を出した。

 高得点の2本を合計した得点は、全体トップとなる12.43点(6.00、6.43)。トップで翌日のラウンドに進んだ。最終順位こそ同い年の脇田紗良の後塵を拝して2位にとどまったが、練習の成果を実感することはできた。

千葉は波が毎日あるし、刺激のある環境

 本来なら東京五輪が行なわれていた今年は、練習環境の変化もあった。今年4月、生まれ故郷の神奈川県茅ヶ崎市から、日本サーフィン連盟が東京五輪の競技会場となる千葉県一宮町の釣ケ崎海岸近くにつくった強化拠点に移った。夏以降は、脇田ら同年代のライバルたちも集い、ともに練習を積んできた。

「千葉は波が毎日あるし、同年代のプロも大勢いる。毎日刺激のある環境で練習をできている。レベルアップにもなるし、東京五輪の会場でも練習できているので、日々感謝しています」(松田)

 両親に連れられて6歳で初めてスクールに行った初日から転倒することなく乗れたバランス感覚と、180度開脚できる飛びぬけた柔軟性が武器だ。さらに、ここ数年は個人トレーナーをつけて体幹の本格的な強化を続けている。拠点を千葉県一宮町に移してからも週に一度くらいの頻度で神奈川県に戻って陸上トレーニングを行なっているといい、「上半身の体幹を鍛えたことで、リップを返す時に体幹から返すことができるようになった。トレーニングしていたことが試合でできるようになった」とフィジカル的な成長も感じているようだ。

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