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瀬戸大也に下された水泳連盟の厳しい“処分” この大打撃は東京五輪にどう影響するのか?
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byGetty Images
posted2020/10/21 11:03
厳しい処分を下された瀬戸大也。すべては東京五輪までの時間をどう過ごすかにかかっている
実戦の機会が失われる大きすぎる打撃
そしてそれ以上に〈1〉の「年内の活動停止」は大きな影響を及ぼす。
今年はただでさえ新型コロナウイルスの影響で国内外の大会が次々に中止になり、選手たちは試合の場を失った。
そんな状況から、ようやく国内でも大会が再開され始めた矢先だ。
瀬戸はもともと、10月の日本短水路選手権、10~11月にハンガリー・ブダペストで開催される国際リーグに出場する意向を持っていた。
さらに12月には、本来は4月に予定されていた日本選手権が控えていた。会場である東京アクアティクスセンターはオリンピックの会場でもあるから、場慣れするための絶好の機会でもあった。
そういう点も含めて、これら実戦の機会が失われる打撃は決して小さくない。
来夏の東京五輪に向け、大きな修正を
しかもこれまでを振り返ると、瀬戸は試合を重ねていく中で調子を整え、上げてきた選手だ。
そうした特徴からしても、開催そのものが貴重な大会に出られなくなることのダメージは大きい。
加えて、大会のみならず日本代表合宿が実施される際も参加できない。高いレベルにある選手たち同士で切磋琢磨する時間は互いに刺激を与える重要なものであり、これに参加できないとなれば瀬戸にとっては大きな損失になる。
つまりは、来夏の東京五輪に向けた強化は、大きな修正をよぎなくされる。
大きな影響があるのは否めない。