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瀬戸大也に下された水泳連盟の厳しい“処分” この大打撃は東京五輪にどう影響するのか?
posted2020/10/21 11:03
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Getty Images
およそ1年前には、こうした事態が起きるとは想像できなかっただろう――。
瀬戸大也の女性問題に対し、日本水泳連盟は10月13日に処分を発表した。
その内容は、以下の通りとなった。
〈1〉年内の活動(水連公式大会への出場、強化合宿、海外遠征への参加)停止
〈2〉スポーツ振興基金助成金の2020年下半期の推薦停止
〈3〉日本水泳連盟の教育プログラム及びJOC(日本オリンピック委員会)インテグリティ教育プログラムの受講を行うこと
予想より厳しい処分の影響
処分の理由として、今回の件が水泳連盟が「競技者資格規則」で定めているスポーツマンシップに反したこと、その他本連盟及び本連盟の加盟団体の名誉を著しく傷つけたことに抵触すると判断したことをあげた。
水泳連盟はプロスポーツの競技団体ではないとはいえ選手を管轄する立場にある。また瀬戸は東京五輪に内定している日本代表選手として多くのスポンサーと契約を結び、助成金も得て活動してきた。
その立場と従来から定められている資格規則とを考慮し、処分が与えられたことになる。
事前に予想されていたものより厳しい処分となったのは、引き起こした反響の大きさに対する部分もあるだろう。
あらためて考えれば、瀬戸は自身の立っている場所への自覚が足りなかった、足りな過ぎた、と言わざるを得ない。
いずれにせよ、こうして処分は下された。助成金の推薦停止、またスポンサーとの契約解除で活動資金が失われる影響は大きい。競技生活の基盤が大きく損なわれる。