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飯伏幸太が史上3人目のG1クライマックス連覇! 「ボロボロ」の体で宣言「IWGPを取って『神』に」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2020/10/20 11:01
G1クライマックスを連覇した飯伏幸太。「体はボロボロ」と語りマットに座り込んだ
メチャクチャうれしい。でも体はボロボロです
35分12秒。G1優勝戦では最も長い試合時間で勝利した飯伏はなかなか立ち上がることができなかった。やっと立ち上がって、優勝トロフィーを持ち上げたが、祝砲の銀色のテープがリングに放たれた時には再びマットに座り込んでしまった。
「何度でも言います。ボクは、逃げない、負けない、あきめない。そして裏切らない。最後まで、あきめなかったから(優勝できた)。メチャクチャうれしいですよ。でも体はね、ボロボロですよ」
飯伏は笑みを浮かべた。
G1の戦いは終わった。そして次なる戦いがまたすぐに始まる。昨年、飯伏が公言したIWGPヘビー級王座を取るというテーマは未完のままだ。現在のIWGP王者は内藤哲也だ。
「優勝っていうのは、IWGPへのチャンスをつかむことだと思います。チャンスは得たかなと。(この日発表された来年1月4日、5日の東京ドーム大会までの)期間がいつもより短いので、チャンスはいつも以上にあるんじゃないかなと。ちょっと怖いのは、権利証が(従来通り)あったとして、それが挑戦されて奪われた場合。これはわからないですよ。このテンションをキープしていきたいと思います。東京ドームにつなぎます」
飯伏は現実的な不安も口にした。そんな飯伏の前にジェイ・ホワイトが現れた。
挑戦権利証はオマエから奪い取ってやる
「オマエもオレも本当のところはわかっている。オマエは真のG1王者なんかじゃない。なぜならオマエはオレに勝っていない(9月23日の札幌大会)からだ。これからもオマエはオレに勝てない。挑戦権利証の入ったブリーフケースが贈呈されるんだろう。でも、それをオレはオマエから奪い取ってやる。今のところはそのトロフィーを抱きしめて楽しんでいろよ」
ホワイトは最後の最後で石井智宏に不覚を取って、優勝戦に進めなかったいらだちを飯伏にぶつける。ホワイトはおいしいところを持っていった飯伏からIWGP挑戦の権利証を強奪する構えだ。