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飯伏幸太が史上3人目のG1クライマックス連覇! 「ボロボロ」の体で宣言「IWGPを取って『神』に」
posted2020/10/20 11:01
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
新日本プロレス30回目のG1クライマックスに優勝したのは飯伏幸太。飯伏は昨年の優勝に続く連覇だ。過去にG1を連覇したことがあるのは、蝶野正洋と天山広吉の2人しかいなかったが、飯伏が歴史の3人目に名前を連ねた。
飯伏はSANADAとの優勝戦に勝って、蝶野から優勝旗とトロフィーを受け取った。
「ボクが見ていた頃のG1クライマックスの覇者といえば、蝶野さん。不思議ですよね。不思議な感覚になりました。あの蝶野さんから、あのトロフィーと旗をもらうっていう。ファンに戻った気持ちですね。非常にうれしいです。でもボクはプロレスラーなんで、そこは捨ててもう一度原点に戻って、プロレスを頑張りたいと思います。来年も再来年も、ずっとプロレスをやり続けて、また優勝したいと思いますよ。何回でも」
飯伏は感慨深げに連覇の喜びを語った。
SANADAの得意技に場内がざわめき…
10月18日、両国国技館。新型コロナウイルス対策で、観客は4人掛けのマス席には1人ずつしか座っていない。2階のイス席は2つおき。約1万人収容の会場に入れたのは運のよい2928人だけだ。すぐに売り切れてしまった優勝戦のチケットはかなり入手困難で、「チケットを探している」という声をあちこちで聞いた。
Aブロックを7勝2敗で勝ち上がった飯伏は、Bブロックの混戦を6勝3敗で競り勝ったSANADAと1年3カ月ぶりに対戦した。
オーソドックスな組手から静かに始まった戦いは中盤を過ぎてから徐々にヒートアップしていった。
終盤SANADAが得意のオコーナーブリッジで飯伏を丸め込んだときには、3カウントが入ったんじゃないかとも思った。レフェリーは否定したが、場内がざわめいた。
飯伏は飛びヒザ蹴りからカミゴェと呼ばれるヒザを容赦なくSANADAの顔面に叩き込んだ。これで決まったと思った。それでもSANADAは跳ねのけて来たが、飯伏はさらなるとどめのヒザをぶちいれた。