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“モノが違う女”朱里がスターダム入団表明! 「プロレス一本」の覚悟を決めた理由を聞く
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2020/10/17 11:02
スターダム入団を表明した朱里。“フリーの大物”が団体で更なる成長を見せるだろう
岩谷に感じた他にはないオーラ
横浜武道館で挑んだ王者、“スターダムのアイコン”こと岩谷からは「他の人とは違うオーラを感じた」そうだ。
「スターダムでデビューしてスターダムでずっとやってきて、今スターダムを引っ張る存在になっている。その覚悟がどんなものか試合で感じたかったし、実際に感じました。攻めても攻めても目が死なないんですよ。絶対にベルトを落とすわけにはいかないという目をしていた。チャンピオンにそれだけの覚悟があるのなら、そのベルトを狙う私も覚悟を示さなきゃいけない。そういう意味もあって入団しよう、と」
幅広いジャンル、舞台で闘ってきた朱里に対し、岩谷には“これ一本”の強さがあったという。また自分だからこそできる試合、団体への貢献もあると朱里は考えている。
「自分で言うのは変かもしれないですけど、私は人間としてのパワーが凄くあると思ってるんですよ。だから私が入ることで、スターダムにもいい効果があるんじゃないか……って、勝手に想像してるんですけど(笑)」
あの時は狂ってましたね(笑)
パワー、エネルギー、あるいはバイタリティ。朱里という人間が持つ“力”は相当なものだ。そうでなければ立ち技とMMAの2冠達成は不可能だし、Krush参戦期(2012-2015)、パンクラス参戦期(2016-2017)にプロレスの試合を続けることもできないだろう(UFC時代のみ、契約の関係でプロレス活動は休止)。
「格闘技の試合に出ながら、プロレスも月に14試合くらいやってました。格闘技の練習はもちろん毎日。地方でプロレスの試合があった日も、すぐに帰って練習してましたね。8kgくらい減量して、前日計量が終わって、その夜にタッグマッチで30分フルタイムドロー、次の日にKrushの試合っていう時もありました」
説明しておくと、格闘技の試合のコンディショニングは規定体重をクリアすればそこで終了というものではない。翌日の試合に向けて充分な栄養と休息をとって肉体をリカバリーするのも必須だ。対戦相手がそれをしている時間に、朱里は別ジャンルの試合をしていた。しかも長時間のタフな試合を。
「今やれって言われても絶対できないです。あの時は狂ってましたね(笑)」