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「甘くはなかった」オカダ浮上! 内藤に危機? SANADAの大逆転も…大混戦のG1クライマックス最終章
posted2020/10/12 20:01
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
新日本プロレスのG1クライマックスは10月11日の名古屋大会(ドルフィンズアリーナ=愛知県体育館)終了時点で、A、Bブロックとも7戦ずつを消化し、残りは各選手とも2試合ずつになった。
優勝決定戦進出者の候補は、Aブロックは4人、Bブロックは5人にほぼ絞られてきたが、いまだに混沌としている。
Aブロックのトップは5勝、勝点10で飯伏幸太、オカダ・カズチカ、ウィル・オスプレイ、ジェイ・ホワイトの4人が並走している。
Bブロックは5勝で勝ち点10のEVILと内藤哲也の2人を、4勝で勝ち点8の後藤洋央紀、SANADA、ザック・セイバーJr.の3人が追う形だが、勝点が並んだ場合は直接対決の結果となるため現時点ではEVILが有利だ。
「久しぶりに、いい勝ち方ができた」
10月10日に大阪で行われたオカダvs鷹木信悟の試合で興味深いシーンがあった。鷹木はオカダのお株を奪うようにラリアットを叩き込みオカダを追い詰めて、さらにはダウンしたオカダに両手を広げたレインメーカー・ポーズまで見せて挑発した。それはまるで、レインメーカーを繰り出さないままG1を戦い続けるオカダへの「どうしたオカダ、これでもまだレインメーカーを出さないのか」といった問いかけにも見えた。
オカダはそれでも必殺技レインメーカーの封印を解かず、最近では「マネークリップ」と呼ぶようになった古典的な絞め技コブラクラッチホールドで反撃し、決着をつけようとした。鷹木が意地でもギブアップしないと踏ん張ると、オカダはそのまま引き倒すようにバックブリーカーを仕掛けて、またしてもコブラクラッチで締め上げた。それでもギブアップしない鷹木を見かねたレフェリーが試合を止めた。
「5勝目!」
オカダは高らかに勝利を叫んだ。オカダは自身を追い詰めた鷹木をこう評価した。
「久しぶりに、いい勝ち方ができたんじゃないかと、まあ、結果としては、レフェリーストップでしたけれども、あれは鷹木選手の意地なんじゃないかと思います。初対決、あんな熱い戦いができていますんで。みなさん、初対決の意味ってのを知っていますか。また次があります、っていうことですよ」(オカダ)