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デアリングタクトの“ハイテンション”対策に陣営は何をした? 順風満帆ではない無敗3冠牝馬への道
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byKyodo News
posted2020/10/16 17:00
桜花賞を制したデアリングタクト。さらにオークスも制し、無敗のまま秋華賞へ臨む
デアリングタクトがついに達成するのか
「少しでも焦れ込まないようにするため、自分のペースで馬場入りして返し馬に移れるように、パドックから最後尾を歩かせてもらうようリクエストを出しました」
こう語る杉山調教師の目論見通りの手順を踏み、レースを迎える事が出来た。若きGIトレーナーは更に言う。
「この時もゲート裏までメンコを着けたのですが、万全を期すため耳の部分だけ二重になっているモノに変更しました」
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こういった繊細な部分にまで手を施した結果が、無敗での2冠制覇達成なのである。
さて、そんなデアリングタクトは3冠目となる秋華賞に、オークス以来のぶっつけで挑む。杉山調教師は言う。
「夏は成長を促す意味も込めて放牧に出しました。思惑通り心身ともに成長して、9月には帰厩しました。休み明けでも雰囲気は良いですよ」
過去のJRAの競馬史に於いて、ただの1頭も達成する事の出来なかった無敗の3冠牝馬の座。18日の日曜日、デアリングタクトがついに扉を開けるのか、注目したい。