“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
早稲田トリオ旋風の中…柳田・千賀・甲斐を一挙に!ドラフト史に刻まれるソフトバンクの伝説指名
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byMami Yamada
posted2020/10/16 11:02
ドラフト指名を受けてインタビューを受ける早大時代の(左から)大石、斎藤、福井
“引きの強さ”を見せつけた日ハム
◇2010年日本ハム指名一覧◇
1位 斎藤佑樹(早稲田大・投手)
2位 西川遥輝(智弁和歌山高・外野手)
3位 乾真大(東洋大・投手)
4位 榎下陽大(九州産業大・投手)
5位 谷口雄也(愛工大名電高・外野手)
6位 齊藤勝(セガサミー・投手)
プロ野球界でドラフト巧者と言えば最初に頭に浮かぶのが日ハムだ。1位では他球団との競合を恐れず「その年に最もいい選手を指名する」を信条とし、04年以降はダルビッシュ有、中田翔、菅野智之(入団拒否)、大谷翔平、有原航平を指名。それぞれをプロ野球界を代表する選手に育て上げている。
この年も4球団が競合した斎藤に入札し、見事当たりクジをゲット。引きの強さを証明した。だが、その斎藤はここまで大きな足跡を残したとは言いづらい。ハンカチ王子として甲子園を沸かせた右腕は今年でもう32歳。ひと花咲かせることができるだろうか。
中学時代から異次元のスピード
プロ入り後、最も活躍したのは2位西川だ。
筆者が西川を初めて観たのは彼が中学2年のとき。全国大会ジャイアンツカップに敗れたあとのエキシビションゲームでその足の速さに驚いた。当時の中学3年生の一塁到達タイムは平均で5秒以上かかっていたが、西川はバントの時に4.2秒台で一塁に到達した。智弁和歌山高に進学後も注意深く見守った。
甲子園では足や肩など常に故障を抱えた状態での出場となったが、その才能を見抜いた日本ハムは2位という高順位で指名している。2年目の12年には早くも71試合に出場、14年には147安打を放ち、43盗塁でタイトルに輝いた。
5位谷口も未だ現役で健在。12年以降、17年を除いてコンスタントに試合に出場し続け、貴重なバイプレーヤーとして存在感を発揮している。