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15日間皆勤全敗、えらくはないが。~王輝の愚直な九月場所~
posted2020/10/13 07:00
text by
藤島大Dai Fujishima
photograph by
KYODO
勝負は勝負だから勝った人はえらい。大相撲の九月場所。関脇の正代が13勝2敗で賜杯を抱えた。えらい。
では負けても負けても休まない人は。新十両の王輝は「皆勤全敗」で15日間の土俵を終えた。せっかく立ち去った幕下へまた舞い戻る。えらくはあるまい。でも「屈辱」とも書きたくない。
1949年、まだマッカーサーが日本にいたころに15日制の場所は定着した。新十両の15戦全敗はそれ以降初めてである。そもそもひとつの場所に15敗を喫した者はこれまで9人しかいなかった。
一般人の体調は顔色でわかる。お相撲さんは肌艶である。新潟県岩船郡、人口5000強の関川村出身の24歳、王輝嘉助、艶々していたのは光沢のあるスカイブルーのまわしだけだった。