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“トラブル多発”もバネにするBリーグ王者 A東京のド直球でブレない力が末恐ろしい
text by
青木美帆Miho Awokie
photograph byYuki Suenaga
posted2020/10/10 11:02
負傷欠場の田中大貴に代わり、2戦目にプレータイムを得た大学生Bリーガーの小酒部。約15分出場で5得点
どれほどの強さを誇るチームになるのか
ザックと菊地は、通常時ならほぼマッチアップする機会がない2m級の外国籍選手たちを、トラップディフェンスやダブルチームを駆使しながら必死に守った。
A東京は8月上旬、田中、小島元基、津山のコロナウイルス陽性判定を受け、約2週間チーム練習を休止している。安藤は当時を「メンタル的に少し落ちた部分があったけど、練習再開後も、選手たちは特にあせってる様子はなかったです。1日1日できることをしっかりやってきた自信はありました」と話した。
今季の開幕を、例年からは想像もできない様々なトラブルとともに迎えたA東京。しかし、17-18、18-19シーズン王者、昨季の東地区最高勝率チームは揺るがない。アクシデントはむしろ、アルバルクの強さを浮き彫りにした。
チームの10月1日付けのリリースによると、ケビン・ジョーンズはすでに入国済み。関係者の間で「リーグ最強の外国籍選手になるのでは」と噂されているデション・トーマスも2日に入国を果たしたが、チームスタイルとBリーグのジャッジにフィットするには、両者ともに相応の時間がかかるだろう。
田中のケガの状況については本稿を書いている現時点ではリリースが出ておらず、昨年手術を受けた小島も復帰までまだ時間がかかる見通し。引き続きチーム全員の総力戦は続く。
「今日のような戦いを続けていって、外国籍選手が揃ったら、もっとチームが強くなれるんじゃないかという気持ちでいます」
1戦目後の安藤の言葉を思い出し、想像する。苦境を糧に大きくジャンプアップしたとき、アルバルクはどれほどの強さを誇るチームになるのか――。今からなんとなく恐ろしい気持ちになった。