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“トラブル多発”もバネにするBリーグ王者 A東京のド直球でブレない力が末恐ろしい
posted2020/10/10 11:02
text by
青木美帆Miho Awokie
photograph by
Yuki Suenaga
入場者数は最大収容人数の50%以下。座席には1席ずつ空けて着席し、声を出しての応援はNG。
横浜アリーナで開催された昨年を思い返せば返すほど、コロナ禍で迎える今年のオープニングゲームはどれだけ寂しいものになるだろうと思わずにはいられなかったが、アリーナ立川立飛に立ち込める雰囲気は、意外にも“閑散”“寂しい”というものではなかった。
BGM、声を使った効果音、MCの声かけ、ハリセンを叩く音。密閉空間における音響効果の強みを改めて感じた。大きな声を上げる観客がいないにも関わらず、試合が盛り上がるにつれて会場内の空気が薄くなっていくのも、例年と変わらなかった。
3月27日のシーズン中止から約7カ月ぶりにコートに戻ってきた選手たちはみな、観客を見回してうれしそうな表情を見せた。
ほとんどの会場がチケット完売の満員
日本にプロバスケットボールがようやく帰ってきた。
Bリーグで広報とプロモーション部門を統括する増田匡彦は、この試合を含む各地の開幕戦を映像配信サービスで見届けた。ほとんどの会場がチケット完売の満員。配信の視聴者数も昨年比の約1.9倍増だった。
「たくさんの方がBリーグを待っていてくれたんだなと感じました。どこの会場も初めての対応ばかりだったと思いますが、クラブが努力して、ファンの皆さんもそれを理解して、素晴らしい空間を作ってくれました」
そう話す声が、ほころんでいた。
Bリーグとの“再会”を喜んだところで、オープニングゲームのアルバルク東京と川崎ブレイブサンダースの試合に話題を移そう。
第1戦は、ディフェンスで先手を取ったA東京が、川崎の猛追を退けて勝利(85-79)。
第2戦は我慢比べの展開から抜け出した川崎が、A東京をハナの差で制した(52-55)。