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菊池雄星も監督も…マリナーズ、メジャー最長「19年間プレーオフ出場なし」でもポジティブなワケ
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2020/10/11 11:01
菊池雄星は2年目となった今シーズン、ストレートに磨きをかけ平均回転数は昨年の2095から2261へ上昇した
「我々は、2021年に、とてもいい位置にいると思う」
渡米後2年目の菊池雄星をはじめ、どの選手に対しても、ことあるごとに「学習するプロセス」と言い続けてきたサービス監督は、チームの核となる若い選手の成長を、確かな手応えとして感じていた。
「このロッカールームにいるほとんどの選手が、来年の春季キャンプにいるだろう。何人かのベテラン選手の助けを得るかもしれないが、中心グループは戻ってくる」
目先の勝敗だけにこだわることなく、確固たる信念を持って再建計画の陣頭指揮を執ってきたジェリー・ディポトGMも、ステップとなる2年目の好感触を隠そうとしない。
「我々は、2021年に、とてもいい位置にいると思う。我々のゴールは、戦いの場に出てプレーオフのスポットを争うことだ。それが非現実的なゴールだとは思わない」
今オフは、経験のある救援投手の補強に動く方針を明かす一方で、今季同様に先発6人ローテーションを継続する予定で、故障のリスクを考慮しながら、成長著しい若手を主軸として起用していく姿勢をあらためて明かした。
菊池「ポジティブな要素も多かったと思います」
9試合の登板で2勝4敗、防御率5.17の成績に終わった菊池雄星にしても、マイナス思考はない。今季は、フォーム改良の成果で、速球が最速158キロをマークしたほか、スライダー、カーブの各球種も平均で5キロ前後アップ。メジャーでもパワー投手としての基盤を築いた。
「フォームを大きく変更した中で、いい、悪いははっきりしていたと思いますけど、数字には表れないところで、手応えを得られる部分も多くありました。課題は明確にありますけど、ポジティブな要素も多かったと思います」
現段階では、来季もアスレチックス、アストロズが同地区の優勝候補に挙げられるだろう。だが、マリナーズが着々と爪を研いでいることも間違いない。
2001年以来、20年ぶりのポストシーズンへ──。
10月になると静まりかえっていたシアトルの街が、久しぶりに野球で盛り上がる可能性は少なくない。