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左打者を克服し、手に入れた大役。前田健太は「あの時と別の投手」。
posted2020/10/11 07:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
メジャートップのWHIP(1回あたりの被安打+与四球)0.75。最も走者を出さない投手を示すこの数字が、ツインズ前田健太の覚醒を物語っていた。
今春、ドジャースからトレード移籍した前田が、新天地で新境地を切り開いた。初登板から無傷の4連勝。その間、勝敗こそ付かなかったものの、8月18日のブルワーズ戦では9回無死までノーヒッターの快投を演じた。快調に白星を重ねるツインズの中心的な存在が、前田だった。
最終的に11試合に先発し、クオリティースタート(6回以上、自責点3以内)が8試合。全試合を3失点以下に抑え、チームトップタイの6勝をはじめ、防御率2.70、80奪三振など主要部門でチーム最高の成績を残した。地元メディアが「史上ベストのトレード」と、前田を獲得したツインズ首脳陣の手腕を絶賛するなど、強烈なインパクトを残す活躍だった。何より前田自身が、進化を自覚できるほどの変化だった。