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久保建英の奮闘に隠れているが…バルサとメッシの新境地 “悪役”クーマンは何を変えた?
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byGetty Images
posted2020/09/28 20:00
バルサの天才リオネル・メッシとビジャレアル久保建英の対決が注目されたが、バルサ全体の変化にも興味深いものがあった
33歳にしてアップデートしたメッシを見たい
ハイライトシーンでは絶対に取り上げられないだろうが――攻撃面であれだけボールを奪われず先を見通せるメッシなら、守備にだって予測力を発揮して当然だ。そのスキルと大局観、そしてバルサ残留でのモチベーションさえあれば、クーマン・バルサを高みに導いてくれるはずである。
いきなり“悪役”扱いされてしまったクーマン監督だが、試合後「前半は素晴らしく、機動性があってプレッシャーも激しく、トランジションもよかった」と目指す方向性を示せたと納得しているようだ。プロフェッショナルならば指揮を執るチームを弱体化させようなんてこれっぽっちも思っていないだろう。
そんな新指揮官が掲げるスピード感とバルサらしさの両立。まだ1試合終わっただけで、ビジャレアル戦の出来を継続できるかはもちろん未知数だ。とはいえ33歳にしてアップデートしたメッシを見られるのならば、一度は別れを覚悟したファンも心躍るのではないか。